ぼくのかんがえたさいきょうのぽけもん

社畜ポケモントレーナーのブログです

大宮勤務のOLと出逢った話

 

 

彼女とはひょんな事がキッカケで出会った。

 

 

その日カワチはナンパをし、何も結果を出せず、意気消沈しながら終電で最寄りまで来ていた。

 

 

ため息をつきながら改札を通ると、うつむきながら彼女がポツンと立っていた。

 

 

その日何も結果を出せなかったが、終電まで粘った神様からのご褒美だと思い、声をかけた。

 

 

「あの、もしかして終電逃しました?」

 

こんな感じで声をかけたと思う。

 

彼女は

「あ、はいそうなんです…」

 

と今にも崩れ落ちそうな声で答えた。

 

 

「そうなんですか。もし良かったら送っていきますよ。」

 

 

彼女は「悪いから」と断ってきたが、この機会を逃すわけにはいかなかった。

 

たぶんその辺の人なら「そうですか、気をつけて帰ってください。」で終わるのだが、彼女はとにかくかわいかった。

 

最近世間を騒がせた山口真帆

あの人にそっくりだった。(以下真帆子とします。)

 

真帆子のデータ

年齢:22歳

身長:158㎝

体重:??(細身)

顔面偏差値:5億

勤務地:大宮

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(画像はイメージです。)

 

山口真帆は新潟だが、彼女の出身は秋田だった。

そして、雪国特有の透き通った肌をしていた。

なんでも高校卒業後、埼玉まで上京してきたらしい。

 

悪いんで大丈夫です、という彼女の制止を振り切り、その日は埼玉の家まで送り届けた。

 

彼女はありがとうございましたと言ってお金を出そうとしたが、「それはいいから、代わりにLINE交換してよ。」と言って連絡先を交換して解散した。

 

 

なんとしてもこの子を落としたかったが、真帆子には彼氏がいた。

 

 

だが、彼女からすればカワチは命の恩人。

真帆子はカワチの事を信用してくれていたため、飲みに誘ったらアッサリOKをもらえた。

 

 

ドタキャンされるのではないか不安であったが、幸いにも杞憂に終わった。

 

 

 

 

 

そして迎えたアポ当日。

 

 

 

新宿20:00

 

 

「あっ、お疲れ様です!」

 

 

彼女はスーツ姿のままで来ていた。

余談だがカワチはOLが大好きである。

正直JKコスとか何とも思わないし、ナース服とかチャイナドレスよりもOLのスーツ姿がめちゃくちゃ好き。

だから山口真帆がOLのコスプレをしているみたいでテンション爆上がりであった。

 

 

だがここでそれを見せるとその他の一般人と同じなので、表情には出さないようにした。

 

 

なるべく何食わぬ顔で、逆に

「俺仕事着だから合わせたんでしょ?笑すぐそうやって人の真似するのよくないよ笑」

 

って感じで弄ってあげた。

 

あとは最近調子どう?って感じの当たり障り無い会話をしてる内に一軒目のバーに着いた。

 

 

 

 

「うわぁ…なんかオシャレですね…」

 

「そう?こういう所来ないの?」

 

「あまり来ないです…え、ここにはよく来るんですか?」

 

「ん。まあそこそこね。」

 

本当は嘘だが、大事なのは主導権を握り、他のやつらとは違うという事を見せなければいけない。だからなるべく自然に、当たり前かのように答えた。

 

 

まず一軒目では、当たり障りの無い会話から始まり、仕事の話、そして真帆子がどういう環境で育ってきたか、そこからどんな子か探っていった。

 

 

彼女は3人兄妹の末っ子で大事にされてきた。だがそれが舐められているようで嫌だった、平等じゃないのが嫌だった。

 

彼女は負けず嫌いだった。

異国の地でも必死に理論武装していた。

カワチといるときも取り繕っていた。

 

何とかしてこれを取っ払わなければいけなかった。

 

幸い真帆子は携帯を気にする様子も、時間を気にする様子もなく、楽しんでいるようだった。

 

 

 

「よし、2軒目に行こう。」

 

 

 

 

夜景が見えるバーに移動した。

 

「え、何これすごい笑カワチさんなんでこんなところ知ってるんですか笑」

 

「さあ、なんでだろうね笑」

 

適当に自分自身の事は躱して彼女の話をもっと深くまで聞くことにした。

 

 

今付き合ってる彼氏の事も聞いた。

 

 

 

「私彼氏の事本当に好きで、何も不満がないんですよね。」

 

 

 

ガッデム!

思わず天を仰ぎそうになった。

本当に隙がない。

入り込む余地がない。

 

 

…どうする。考えろ!ここまで着いてきた時点で多少は良いと思っているはず。

 

…もしかしたら隙が無いように取り繕ってるのか?自然と素を出させてくれるか、カワチを試しているのか?

 

良いだろう、臨むところだ。だったら隙を作ってやればいい。

 

 

 

 

「真帆子ってさ、彼氏に言いたいことあっても言えないタイプでしょ笑」

 

「そうですね…言えないタイプです。迷惑掛けたくないって思ってしまいます。」

 

「そっか、それは本当の恋愛をしてるって言えないね。たぶんそれが原因で婚期も逃しちゃうよ。婚期が何回訪れるか見てあげるから、手見せてみ?」

 

「え、そんなのわかるんですか?」

 

「…あ〜1回しかないね。もしかしたら今回逃したらもう来ないかも。」

 

「え〜そうなんですか?うーん、でもハッキリ言って結婚とか全然考えられないし、まだいいかなって思っちゃう。」

 

「そうだね、確かにまだ早い。だから今のうちに隙を作る練習をした方がいい。」

 

「隙を作る?例えばどんな事ですか?」

 

「例えば甘えるとか。甘えるの苦手でしょ。」

 

「苦手です笑」

 

「それじゃあダメだよ。甘えられない女性より甘えてくる女性の方がかわいいもん。」

 

「うーん、そうなんだ。でも難しいな。」

 

「だから俺で練習。ほら」

 

そう言って彼女の肩を抱いた。

 

「や、でも恥ずかしいから。」

 

 

そう言いながらも彼女は嫌がっていなかった。

肩を抱いた後、耳に手を這わせた。

 

「ちょっとそこはダメ…」

 

「ほら、練習でしょ。ちゃんとやらなきゃ。」

 

 

そう言うと彼女はカワチに身体を預けてきた。

 

よしよしと言いながらしばらく頭を撫でた。

その後再度耳に指を這わせてみた。

真帆子は少しビクッとした。

その時目と目が合った。

目が虚ろだった。

もう頃合いだった。

 

「じゃあ、行こっか。」

 

彼女の手を取り、ホテルへ向かった。

 

「何もしないですよね?」

 

「嫌な事はしないよ。」

 

そう言ってホテルへ入った。

 

 

 

 

 

お互い酔っ払っていたのもあってか、すぐにベッドに横たわった。

 

目と目が合う。

 

 

意を決して勝負を仕掛ける。

 

 

「ダメです。」

 

 

ホワイ?

もう完全に仕上がってたじゃないか。

 

 

「なんで?」

 

「彼氏に悪いから…」

 

「んー、悪いのは彼氏じゃないかな?彼氏秋田なんでしょ?本当に本気なら埼玉まで来るか、真帆子を連れ戻すくらいの事してもいいと思うけど。」

 

「それはそうかもしれないけど…でも本当に好きなんです。」

 

「キミが彼氏の事を好きなのはわかった。でも付き合ってるって証拠はあるのかな?普通会社員なら口約束だけじゃなくて、契約書書いて、社印も押すよね?」

 

「でも…」

 

「真帆子がここまで来てくれたのは少しでも俺の事いいと思ってるからだよね?」

 

「そうですけど…」

 

「だったら今日は俺の事だけ見てよ。別に今日俺とした事で真帆子は罪悪感感じる必要無いよ。酔っ払っちゃったし、終電も無いからこうなっちゃったんだよ。」

 

「……でもやっぱり無理です、ごめんなさい….」

 

 

 

ジーザス!

ダメだ、もう崩せる気がしない。

 

だがここまで来て放流するにはあまりに惜しい美女。

 

どうする?このまま朝を迎えて健全に解散するか?いや、そんな事をしたところで次はない。

 

もうこうなったら一か八かの勝負をするしかない。カワチは覚悟を決めた。

 

 

 

「じゃあもう帰れば?俺は真剣に向き合おうとしてるのに、真帆子がそんな態度ならもう一緒にいる意味なんてないよ。」

 

そう言って彼女とは正反対の方向に向きを変えた。

 

 

「うん…」

 

 

彼女はバッグの整理を始めた。

 

くそ….ダメか…?このまま帰るのか?

これで終わっちまうのか?

 

焦りを感じながら彼女の物音を聞いていた。

 

 

…ふと物音が止まった。

振り返って見てみると、彼女はうつむいていた。

 

 

カワチはおもむろに彼女の元へ行き、静かに抱きしめた。

 

 

「今日は俺の気持ちを全部受け止めて欲しい。だから顔を上げて。」

 

 

彼女が顔を上げた瞬間、再度勝負を仕掛けた。

真帆子も返してきた。

 

何とか上手くいった。ギリギリの綱渡りだった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、真帆子とホテルを出る準備をし、一緒にホテルを出た。

 

 

 

「本当にありがとうございました。楽しかったです。」

 

 

 

そう言って彼女は帰っていった。

 

 

 

彼女が遠くなるまで目に焼き付けておくつもりだったが、途中から急に視界がぼやけてしまい、何も見えなくなってしまった。